この日の主役は「笛を吹く少女」 山内壮夫の作品

2012年6月30日 笛を吹く少女とあそぼう
「札幌彫刻美術館友の会」が子供と大人が一緒に楽しめるイベントを開いた。 コンサートやクイズラリーで楽しむ趣向。主催は札幌彫刻美術館友の会。

朝9時に札幌コンサートホール・キタラ前で受付開始。天候は晴れ。ボチボチ来場。「友の会」会員がのぼり旗とスタッフジャンパーでお出迎え。

彫刻クイズラリーを親子で楽しむ。「猫とハーモニカ」(山内壮夫)。

10時、今日の主役「笛を吹く少女」は薔薇に囲まれ風船の首飾り姿。
この日の為に三日間身体を洗い、コーティングで念入りなお化粧もした。
これは彫刻劣化防止作業の一環として「友の会」で実施した。
「香の広場」にはコンクリート製の彫刻が4体あるが、設置されて50年以上たち老朽化している。その寿命を出来るだけ延ばそうとする作業だ。
人に例えて言えばアンチエイジングの様なものである。
リコーダーコンサートCasa♪Reco(カサリコ)さん

暑い中、大勢の人たちが集まってくれた。 やっぱり木陰が恋しくて。

「笛を吹く少女」前でリコーダーコンサート。演奏は「カサリコ」さん。
ここで一服 中島公園の歴史を考える
中島遊園地開園を中島公園の起源と考えれば今年で125年目。と言うことは、後875年もすれば中島公園は千年の歴史をもつことになる。
1959年完成の百花園。後ろ向きの「母と子の像」札幌市文化資料室所蔵
1959年に完成した百花園
「上は百花園の写真です」
「向こうに見えるのが藻岩山だな」
「母と子の像が水の中で涼しそう」
「藻岩山を見ているのかな」
←「今は札幌駅前方面を見てますよ」
「猫も杓子もみんな駅前だよな」
「笛を吹く少女だけは違いますよ」
今はなき百花園では「森の歌」
「母と子の像」「笛を吹く少女」が一直線の位置にありそれぞれが藻岩山の方を向いていた。
百花園閉園後「森の歌」はブロンズで作り直し児童会館前に移った。
そして「母と子の像」は広場の南端に寄り横を向いてしまった。
そして、「笛を吹く少女」だけが現在の位置にある。
考えてみると「母と子の像」は藻岩山でなく「森の歌」を見ていたのだろう。それなら分かる。 確かに母子像の先には木々をこえ菖蒲池を越えて、はるか向こうに「森の歌」のブロンズ像がある。 直接見ることは出来なくてもその方向にあることには間違いない。
百花園当時の位置に残ったのは「笛を吹く少女」だけ?
「素晴らしいことですね。少女像だけは当時の位置にあるんですよ」
「動かす必要がなかったんだろう」
「その位置にあること自体、歴史上有益と考えます」
「ほ~、いつから歴史家になったんだ」
「半年前です」
「何だと?」
「例えて言えば小学一年生ですね。見ること聞くことみんな新鮮です」
「そりゃ~好かった」
「笛を吹く少女像の前で、笛の合奏をしてもらってとても幸せです」
「リコーダーだ」
「利巧だーとかいって褒めないで下さい。それ程でもないんですよ」

百花園では「笛を吹く少女」と藻岩山を結ぶ線上に「母と子の像」が…。
歴史で一服を終わり「笛を吹く少女とあそぼう」に戻る

文学館講堂で開かれたフルートコンサートは満席。
演奏はヤマハフルート講師、松沢浩司先生。

クイズに答えて景品を受け取ってお仕舞い。お疲れ様でした
* 彫刻のある広場は何んという名?
ところで、「中島公園彫刻クイズラリー」で話題になったことだが、
ワンワンが遊んでいる芝生の広場は何ていう名だろうか。

ベンチ横の案内板は後で紹介するが、この広場の名前が書いてある。
「自由広場だよ。犬が自由に遊んでいるだろう」
「違います。自由広場はアスファルト。公園マップにちゃんと書いてあります」
「芝があるから芝生の広場でいいだろう」
「ダメです。芝生の広場は他にもあるから紛らわしいですよ」

もう一つの芝生の広場は中島体育センター前。こちらの方が広い。
「彫刻のある芝生の広場ならいいだろう。ちょっと長いかな」
「コンクリ作りのものを彫刻と思わない人も多いのです」
「なんだと?」
「石像かな。お地蔵様の変形と思っているんですよ」
「なるほど母子地蔵、女子地蔵、鶴地蔵、猫地蔵か。フムフム」
「よくできました。さすがは彫刻友の会会員ですね」
「お世辞はいいから、何の広場か言いな」
「実はとても優雅な名前が付いているのですよ」
「もったい付けずにさっさと言え」
「ジャーン、香りの広場です」

「香の広場」点字案内板
「冗談じゃない! あんなものは絶対に香の広場とは言わんぞ。
あの広場で犬のフン踏んじゃったよ。
靴の底にべったりくっついて剥がそうとしても、なかなか取れない。
臭くて臭くて鼻が曲がりそうだったよ」
「それはお気の毒なことですが、ホントに『香の広場』なんです」
「俺は絶対に認めないよ」
「もう決まっているのです。上の案内板を見てください」
「何が『香の広場』だ。間違ってるぞ!」
「ラベンダーの香り、それにカレープラント。その他いろいろです」
「カレープラント?」

「ちょっと、つまんで匂いをかいでみてください」
「うんホントだ。カレーの匂いがする。 おもしろ~い」
「香の広場」に相応しい広場にしよう!
先日、「中島公園樹木ガイド」でガイドさんから「香の広場」命名のいきさつを聞いた。 広場の植物を調べてみるとラベンダー、カレープラントなどのいい香りを発する草花をいっぱい見つけたそうだ。
「それで『香の広場』とつけたのではないかな」との見解を披露してくれた。
良い香りで悪臭を追放しようという想いを込めての命名と思う。
点字案内板であることに注目したい。 香の楽しみは大切と思う。
札幌彫刻美術館友の会では、この広場をイベントに使う機会が多い。
広場の名前を統一した方が便利と思うが如何だろうか。
「中島パフェ」では彫刻をきれいにすると同時に芝生を綺麗にしようとの想いを込めて「香の広場」の名を使うことにした。 今後徐々に改めて行きたい。
折角「香の広場」と決めてくれたのに定着させないのはもったいない。
少し気恥ずかしい広場名だが、その内慣れてくるだろう。
「香の広場」を定着させて、その名に恥じない芝生の広場にしたいものだ。

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